Waldenの安曇野日記 Vol.49
Waldenの安曇野日記 Vol.49「ゲッティングブルー」の巻
みなさんこんにちは、Waldenの安曇野日記の時間です。
今月はギフトコーヒーの焙煎が多くて、いつも以上にケムリだらけになって一生懸命焙煎しています。
それで最近は月2回更新していた安曇野日記も、今月は1回だけになってしまいました。
さて今度は何を書こうかと、焙煎機の前でコーヒー豆を選別しながら考えていたのですが、焙煎釜から焙煎したてのコーヒーが出るときに、ほんの一瞬ですが紫色のきれいなケムリが出ることがあるのです。
青みがかった独特の色で、この色が出た豆はきっと特別においしいだろうと思うのです。
そんな時、僕は「ゲッティングブルー」という言葉を思い出します。
Getting blue ブルーをつかめ という意味でしょうか。
ブルーという意味には、気持ちがブルーになるとか、ブルーな気分になる、といったようにネガティブなところもあるんですけど、一方で最高のもの、または最高の瞬間、という意味もあるのです。
その両方を含んだものが、ブルース Blues Music のブルースだということです。
人生にはゲッティングブルーの瞬間があって、誰にでも一度は訪れるということです。
昔読んだ本ですが。
主人公はある取引をします。
それは、NYヤンキースの外野手としてワールドシリーズに出場して、9回裏ワールドチャンピオンが決まる場面で、相手のホームラン性の当たりをスーパープレーで阻止してMVPに輝く、という契約です。
対価として支払う代償は、その後の長い長い平凡な日常です。
選手を引退した後、一市民として過ごす平凡な日常、言い換えれば人生の本当の勝負を強いられる、というのが代償です。
本の中の主人公はディールしました。
そしてそのワールドシリーズのスーパープレーの瞬間が、主人公にとってのゲッティングブルーだという物語でした。
ギターのクロスロード伝説もよく似た話ですよね。
夜中の12時にミシシッピ南部のある未舗装の十字路に行ってブルースを演奏していると、悪魔がやってきて、ギターの腕前と引き換えに人生を持って行かれる。
ブードゥー教の影響を受けた物語の変形という説もありますが、モデルになった伝説のギタリストのロバートジョンソン、知ってますか?
僕、昔ミシシッピのロバートジョンソンのお墓まで行ってきましたよ。
暗殺されたジュークジョイント(バー)の跡地や、ブルースの女王ベッシースミスが亡くなったアフロアメリカン病院跡、現在はリバーサイドホテルになっていますが、そこにも泊まりました。
レッドというおじさんがいて、ブルースの話をたくさんしてくれました。
ベッシースミスの部屋は当時のまま残されていました。
ベッドにベッシースミスの大きな写真が横たわっていて、、、、
帰りにNYへ戻ってダコタハウスにも行ってきました。
12月8日、ジョンレノンが亡くなった場所ですね。
僕のゲッティングブルーは、あるスキー場での出来事かな。
物語は封印されていますけどね。